武松輝男さんという、三井三池炭鉱で働かれていた方がおられまして、もう亡くなられてしまっているんですが、この方すごい方でして、どうすごい方かは、またいつか話していきたいと思いますが、この武松さんが描かれた「坑内馬と坑内馬と馬夫と女坑夫 地底の記録−−呪咀」とう本があります。
この本が、もしこの世に無ければ、炭坑の坑内で働かされた馬たちのこと、とりわけ三井三池炭鉱の宮原坑で残虐な扱いを受けた対州馬を中心とする在来馬たちの真実は、文字通り坑底の闇の中に永遠に葬り去られていたでしょう。
武松さんの執念ともいえる取材が、そして深い地底で無念の死を遂げていった馬たちの魂が、今私にこうして語らせていると言っても、何ら誇張はありません。
残念ながら、この本。出版社が無くなっていることで絶版となっており、もう古書か図書館でしか見ることができません。
思えば、私の対州馬との出会いそのものが、何か見えない力によって、三池炭鉱宮原坑に導かれるための伏線であったような気がしています。
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