2013年4月に、北松浦郡佐々町 町制70年を記念して制作された映像DVD「記憶は未来へ旅をする ~炭鉱・国鉄松浦線とともに~」は、「 幻 」とも言える「報国炭鉱」や「江里炭鉱」の坑内外を記録した動画(記録映像)を含み、大変貴重であるのみでなく、メッセージ性を持つ映像作品として非常に秀逸なアーカイブとなっていますので、思い出のある方やご関心のある方にぜひ手にとって頂きたく、今回ご紹介いたします。

※(今回、内容をイメージしやすくする為、キャプチャー画を数枚使用しておりますが、どうぞご了承ください)
ma4195

テーマ : 「炭鉱」と「国鉄松浦線」

価格 : ¥1,000 DVDディスク(45分48秒)
 
お問い合わせ : 佐々町企画財政課 企画班

電話 :  0956-62-2101
ファックス :  0956-62-3178

Eメール : sazatyo@io.ocn.ne.jp 

↓ 収録内容について

〇芳ノ浦炭鉱 
  【 画像 】 坑内/鉱業所/生活の様子/診療所/街の様子など
  ・現在残されている遺構 坑口/神社/タンク/商店街など
  ・昔の写真と現在の場所との比較 (施設等があった場所を具体的に確認できます)
  ・真申(まさる)港の各炭鉱・貯炭場マップ
  ・団平船への石炭積み込みの様子(動画/田平町深目港でのもの)

〇神田(こうだ)炭鉱  
  【 画像 】 街の様子など  
  ・現在残されている遺構 坑口/送風機/ボイラー室/住宅/炭鉱時代のプラットフォーム/
   ホッパー(住宅)/神田小学校/プールなど
  ・昔の写真と現在の場所との比較 (施設等があった場所を具体的に確認できます)

〇なつかしい写真①
  ・昭和42年7月豪雨被害 
  ・昭和44年10月国体聖火リレー

〇国鉄松浦線(現・松浦鉄道)
  ・佐々町内にあった7つの駅の場所紹介【真申/小浦/(四ツ井樋)/佐々/(野寄)/(猪立山)/神田】
  【画像】 佐々機関区時代のもの SL/転車台/機関庫/昭和24年天皇御巡幸など
  ・元佐々機関区運転士 梁井 並二さんと朏(みかづき) 由典さんの対談
  (当時の様子がわかり、大変わかりやすい内容となっています!)
  ・CGにより現在の佐々町を蒸気機関車が走るシーンもあります。
IMG_0068 (2)

〇なつかしい写真②
  ・各地に静態展示されている佐々機関区の蒸気機関車の紹介

〇江里炭鉱
  【動画】元鉱業所所長 野口 堅(かたし)さん所有の動画を紹介
  鉱員さん達の様子/坑口/炭函の列/ホッパー/チップラー/鉱業所俯瞰など
IMG_0067

IMG_0065 (2)

〇なつかしい写真③
  ふみきり饅頭/太田電気店/佐々商工会/みかづき商店/役場

〇報国炭鉱
  【動画】 短編映画「石炭の道程 ~北九州から関西まで」の紹介
  ・北松炭田の特徴であったわずか数十センチの炭層の中(ここでは60cm)で這うようにして、作業をする鉱員さんの動画はおそらくここでしか見ることができない、大変貴重なものだと思います。 他に選炭場の様子なども映っています。  
IMG_0064c


〇佐々炭鉱
  【画像】当時の写真数枚と現在の遺構の紹介
  社宅/坑口跡など

〇佐々町資料館内の紹介 カンテラ/ツルハシ/測量器など

ma4194s

最後に、結びの言葉を一部紹介したいと思います。

『 ・・・佐々町は日本の近代化を石炭で支え、石炭によって佐々町もまた豊かに繁栄しました。
当時の写真や映像には、今とは異なる佐々町と、そこで逞しく暮らす人の姿がありました。
炭鉱時代の象徴的存在だった蒸気機関車、その勇姿は国のため日々の暮らしのため、危険が伴う石炭産業に従事した先人たちの懸命に生きる姿と重なります。(中略)
変わりゆく佐々町で、次の世代へと受け継がれていくもの。街の記憶もその中のひとつです。
記憶は未来へ旅をする。その旅には終わりはありません。
 』

現在、長崎では「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」が世界遺産の候補として推薦され、本登録を目指して活動しています。
今回DVDに紹介された佐々町の施設がリスト入りしていることはありませんが、明治期から日本の近代化を支えたという点では、まったく同じ質を持っていたものだと言えると思います。

筑豊の山本作兵衛氏の炭鉱記録画が、ユネスコの世界記憶遺産になったことも記憶に新しいところです。

私の大好きな場所である佐々町が、かつて同町に多く存在した「炭鉱」と、機関区を持っていた「鉄道」にスポットを当て、かくもあたたかで朗らかな映像作品を作成されたことに対し、敬意を表します。

DVDディスクは役場でも直接販売されていますが、大量には残っていないようです。どうぞひとりでも多くの方が、このDVDを通して「活気溢れた長崎」に触れ、思いを馳せて頂きたいと願います。
そしてかつての「炭都・佐々」にいつか再び蒸気機関車が黒煙を上げながら走ることを楽しみに夢見ていたいと思っております。


佐々町企画財政課 企画班webページ