鵜沼 亨さんの写真展「さよなら坑道蛍~高島炭鉱閉山25周年に寄せて」を拝見してきました。失礼な言い方かもしれませんが、予想を遙かに超えた素晴らしい写真ばかりでした。今までみてきた写真展の中で一番好きかもしれません・・・
それはやはり鵜沼さんの実直で誠実な人柄が一枚一枚から滲み出ていたからです。何と言うか、あまりの良さに震えがきましたね。そしてこういう作品がなかなか人目に触れないという現実に溜息が出ました。
ちょうど「高島炭鉱で閉山まで30年働いた」という方と一緒になったので、「よぅ撮ってますね!」だとか「これは、誰々ばい!」とか話ながら観させていただきました。こんな経験も初めてのことです。
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そして鵜沼さんともお話させていただくことが出来ました。
父と同じ元・重工マンで、こういう方が高度経済成長期を支えてきた一人なのですね。側におられた奥さまとお嬢様も大変感じのいい方でしたが、写真は遠慮されました。

鵜沼さんは労組の関係で、坑道にまで入って撮影をされています。
許しをもらって「タイトルについて・・・」の文章パネルを写させてもらいましたので紹介いたします。他に会場にはKTNへの謝意を示す言葉なども貼ってありました。こういうのも初めて見た気がします・・・
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 「タイトルの、さよなら坑道蛍についてお話をします」

 採炭現場の坑道は、地面も天井も壁面も、角張った岩と石炭  層で囲まれていて、その深さは、地下640メートルとのことでした。

気温40度近く、湿度98%と聞きました。文字通り漆黒の闇の中、何かの駆動音・ベルトコンベアー・掘削機と思われるものなどによる騒音、それに上下左右からの地圧感。

そのようななか、判断力は極度に低下し、闇の中でいきなり本番撮影。支給された4kgはあろうかという重い防爆型のストロボを使い、総てマニュアル操作での坑内作業スナップ撮影は、作業者を写すにも姿・位置はキャップランプの光だけが目安となり、大変な困難を伴いました。

撮影を目的に、引率されて現場に行った関係であろうと思いますが、炭塵などはなく空気は予想外にきれいでした。
しかしながら、仕事を終え坑内から上がってくる、顔かたちが分からないほど真っ黒に汚れた労働者を見る時、その実作業の採炭現場の状況は、容易に見て取れました。

総てにわたって想像の域を遙かに越えた、地上ではとても考えの及ばない現実でした。それはもう、過酷という言葉では言い尽くせない採炭現場として、目と身体と心に焼きついています。

汎用6尺旋盤工として45年間、三菱重工長崎造船所で働いた私です。
同じく働く仲間の「職場がなくなった」・・・と思った時、過酷な環境・過酷な労働条件・諸々諸々なことがあったにしても、自分の職場を誇りに思って、思い起こして欲しい。・・・そう思いました。
闇の中の坑道で働く、炭鉱労働者のキャップランプの光を蛍に、また、坑道を万華鏡に見立てて、万華鏡の中で飛び交う蛍を想像しながら、タイトルといたしました。


高島におられた方でなくとも、ぜひとも観ていただきたい展覧会です。


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