安本 末子さん原作の本「にあんちゃん」を映画化した「にあんちゃん」からのキャプチャー紹介もこれで終わりです。
今では無人の野となってしまった長崎県福島・鯛之鼻に存在した鯛之鼻炭鉱の貴重な風景を紹介する意味で、このキャプチャーを掲載しております。

夏祭りに帰ってきた長兄とにあんちゃんが港から沖を望むシーン。
このシーンは現・佐賀県唐津市肥前町田野の高串港で撮影されています。となると、沖に見える対岸の灯は実際の鯛之鼻炭鉱の灯、ということになります・・
(画像はクリックで多少拡大)
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高串港では、夏祭りのシーンが撮影されています。漁港らしく多くの漁船が係留されているのがわかります。
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この漁港にとって、対岸の鯛之鼻炭鉱は魚を買ってくれる、良きお得意さんであったことでしょう。また多くの野菜農家の方や商人さんがここから鯛之鼻鉱へ出荷のために船で通ったことでしょう。
私の祖父も佐賀県の白石というところで農夫をしていましたが、近くの大町という場所にあった杵島炭鉱に野菜を売りに行ったらしいです。
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ポツポツと見えるのが、鉱業所の灯。いちだんと明るく光っているのが住宅街でしょう。
炭鉱は24時間操業でしたから、夜間にはいつもこのような灯が見えていたはずです。
それはどんな厳冬期の深夜にでも鉱夫さん達が何百mも下の坑道で汗水垂らし、命を懸けて働いている「灯」であり、その夫を支える妻や家族たちの生活の「灯」であったわけです。
おそらく蛍光灯でなく裸電球のやさしいオレンジの灯。それは見る者に安らぎを与える灯であったことはまちがいないでしょう。
また、港へ帰る漁師さんたちにとっても、これほど心強い「灯」はなかったでしょう・・・・
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