対州馬との出会い


イラストレーターの仕事をしている時に、地元新聞社の仕事で県内の各地を舞台にしたイラスト&エッセーの「ぼくの子ども絵日記 ~ ながさきの四季」という連載を持つ機会が3年間ほどありました。
その連載の取材の為に、県内を離島を含め隅々まで周ったのですが、大村市に行った時に、ある山中のカフェで一頭の対州馬に出会いました。
長崎市で対州馬が街中で荷運びをすることは知っていたのですが、それまで対州馬に対して熱狂的な興味があるというわけではありませんでした。
初めて間近で見る対州馬はけっこうな歳の牝馬でした。柵のところへ近寄っていくと、私の方を注目しているのですが、近寄ってはきません。
名前は知っていたので、その名前を何度か呼んでみました。すると最初はモジモジしていたのですが、ゆっくり私のところまで歩いてきました。
そして、顔を私の体に擦り付け、まるで犬か猫のように甘えてきたのです。着ていたジャンパーの裾を噛みますが、馬本来の強い噛みではなく、遊ぶように軽く噛んできます。
私は完全にこの馬に惚れ込んでしまいました。惹き込まれてしまいました。
それからは、私の中で「対州馬」という存在が大きく膨らんでいきました。

後から思えば、ここでまた私の壮大な「買い被り」が起きたのかもしれません。



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