アトリエ隼 仕事日記

長崎の遺産とも言うべき炭鉱・教会・対州馬など、「よかもん」をご紹介いたします・・・

対州馬

対州馬の飼養と調教 25「 台風にはどのような備えが必要か 」

近年、台風は徐々に大型化しています。やはり十分な備えは必要かと思います。
対州馬自体は体重が300kg前後あり、重心も比較的低いので台風の風雨そのものは大丈夫です。しかし、問題は厩舎があったり、周りに何らかの遮蔽物があるとしたら、それが風に飛ばされて馬に当たることが心配されます。これは対州馬に限らないことですが、馬に雨風が当たらないようにと無理に壁をつくろうとすると、かえってそれが仇になるかもしれないということは頭においておくべきでしょう。

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対州馬の飼養と調教 24「 馬の血を吸い、ストレスを与えるサシバエを劇的に減らすことは可能か 」

可能です。晩春から初秋にかけて、馬を飼う人なら誰でも頭を痛めるのが、サシバエ対策です。(アブも然り)、なかなか決定的な駆除方法が無く、馬体にかけるスプレーなどではほとんど効果がありません。走光性でもないので、夜間の電撃殺虫などもできません。
では、どうすれば標題のように劇的に減らせるか?これには、「元を断つ」しかありません。つまりサシバエのウジが育ちやすい場所を狙い撃ちし、ウジが育たない環境をつくってやります。
ウジは排水口付近のぬかるんだ土壌で育ちます。水が深く溜まる所や、反対に乾いた場所には育たないので、まずウジが卵から孵る場所を特定し、徹底的にそこを攻めます。
私の場合は、キンチョーのETBを使いました。1ℓで12,000円あまりと少し値ははりますが、200~400倍に希釈して使うので、コスパはいいです。
できれば200倍に希釈したETBをじょうろなどに入れてウジが育ちそうな場所に散布してください。
もしそこにウジがいたら、数分で出てきて死にます。このような感じでウジの生育場所を潰していけば、サシバエを激減させることができます。このETBは馬体に散布することもできますが、まずサシバエが成虫になっているという状態を根絶させないかぎり、50歩100歩なのです。つまり外国産であろうが、国産であろうが、虫除けスプレーというのは、すべて効果が期待できないし、お金の無駄と思います。ハエ取り紙などにはほぼつきません。

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対州馬の飼養と調教 23「 対州馬の馬体と蹄の傷のケア 」


まず馬が体を引っ掛けそうな突起などが、柵内にないかどうか日ごろから点検しておいた方がいいでしょう。もし出血するような傷をつけた場合は、うがい液の原液をティッシュなどに含ませ、患部を消毒します。
蹄に割れなどがあった場合は、それ以上裂けないよう切り取ります。蹄にはある程度弾力があるので、栄養不良で蹄が軟弱化した場合を除いて、極度に神経質になる必要はありません。蹄を健康的に保つためには、手入れは欠かせません。私は毎夕、水洗いしてブラシで泥を落とし、蹄油(予算に余裕が無ければサラダ油でも代用できます)を塗りました。 


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対州馬の飼養と調教 22「 対州馬は、どのような馬装で砂利等を運ぶか 」

まずは荷鞍(にぐら)。画像である程度わかるかと思いますが、木製で組んだ鞍の下は畳屋さんで特別に作った鞍下を置きます。中が何であるかは、聞き損ねましたが、この分厚い鞍下も仕事をするうちにぺちゃんこに潰れるようです。写真の鞍は荷運びをされていた方から譲ってもらったものですが、この鞍だけで、ざっと30kgぐらいあります。これに100kg、時には200㎏近い石材やブロック等を乗せていたわけです。

荷鞍の上には木枠にテント生地で作った砂袋を置くようになっています。袋の下はロープで絞ってあり、ロープをほどくと砂が下に落ちるようになっています。下の動画をみると、その仕組みがよくわかると思います。






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対州馬の飼養と調教 21「 人はなぜ 馬を飼いたいと思うのか 」

なぜでしょう。私は人生を豊かにするため、と答えたいです。
言葉で説明することhが難しいですが、馬と接するようになって得られたことは、人生にとって大きな意味のあることばかりでした。
また、人の間で動く仕事にとても疲れた時、馬といっしょにいる時間は本当に有難い時間でした。何か大事な決断をしなけらばならない朝には、出発前に馬の顔を見て、言葉をかけてからいつも出掛けました。こうして人生の大事な節目を馬のおかげで潜り抜けて来られました。
馬のいななき、そして道路を歩く蹄の音も何とも言えない心地よさを与えてくれます。


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対州馬の飼養と調教 20「 対州馬の調教と道草を食うこと 」

「道草を喰う」とは、まさに馬が移動している時に、傍らの草を食むことを指します。
競走馬の牧場とは違い対州馬の飼養されている場所は、餌となる草の一切生えていない場所でしょう。したがって、対州馬が柵外に出た時、身近に野草が茂っていれば、それは対州馬にとってたまらなく食欲に襲われるはずです。しかし、仕事中或いは移動中に遭遇した草を自由に食んでいたならば、それはどうしようもなくなります。当然コントロールは効かなくなります。たまに馬を曳きながら草を食べさせている動画を観たりすることがあるのですが、これは人が馬を散歩させているのではなく、人が馬に散歩させられているに過ぎません。
基本、訓練中は外の草は食べさせてはいけません。もし食べさせる機会があるとしても、それはかなり限定的であって、いくつかの条件の元でのみ成立するということになります。
調教者のコントロールの範疇にありながら野草を与える、簡単そうで実はもっとも難しいと言っても過言ではないのことなのです。

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対州馬の飼養と調教 19「 馬を叩く、打つということは馬にとってどのような意味があるか 」

馬を叩くという行為は、これは競馬では通常の行為と言えますが、感情に任せて行われる場合はただの虐待であるし、馬との関係を著しく悪化させるものです。しかし、これが「no good」を伝える行為として適度な強さとタイミングで行われる場合はコミュニケーションとなります。
一般的に誤解されやすいのは、同じ力で叩かれたとしても、馬は人ほど敏感には感じないということです。夏にはサシバエという吸血バエが多数馬の体にたかることとなるが、これをハエ叩きで叩かれることは馬はまったく苦にしません。鞭は叩くための道具ではありません。


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対州馬の飼養と調教 18「 どうやって調教を受け入れるようにするか 」

本来、調教とは「人間にとって都合のいい動作をさせること」であって、馬にとってのそれではありません。
その最も酷いエゴが戦争に使用したり、炭鉱の坑道内で使用したことでしょう。
馬にとって人を乗せたり、荷物を運んだり、或いは農機具を曳くことも馬の本意とは言えず、人の都合によるものです。人の望む要求に対して少しでもできた場面に接した時には、すかさず褒める(OK、それでいいと伝える)言葉をかけなければなりません。馬は言葉の内容は理解しませんが、OKの時の言葉とNo goodの言葉は決めておき、褒める時は穏やかなトーンで、No goodの言葉は大きく早く掛けます。しかし、調教においてもうひとつ重要なファクターがあります。それは人間の教育にも共通することですが、「やれば、後でいいことが待っている」ということです。特に動物にとって、その動作をすれば、後で食べ物をもらえるということは、とても効果が高いということは理解してもらえるでしょう。私は、まず朝夕の餌やりの時にも必ず最初に1/4欠片ののリンゴを与えます。それは人間がやってきて、それから行うことは餌をもらえる、良いことにつながるとイメージ付けるためです。
まったく人間が触れたことの無かったひん太にまず、無口頭絡をつけ、引き綱を付けて歩かせ、そして停める。その次は「はみ(ビット)」を口に含ませるのですが、特にこの「はみ」に慣れさせる段階で食欲を利用します。まず最初の段階は柔らかな素材でできた「はみ」を口の中に入れさせるのですが、これにはあらかじめリンゴの匂いのついたもの(ドイツ製)を使いました。この素材には馬の好みリンゴのフレーバーがついているので、馬は口の中でゴリゴリとかじっています。十分に慣れてから今度は実際の金属製のはみにリンゴ・ジャムを塗り、口の中に咥えさせます。こうして自然とはみを受け入れるようになり、やがてははみにつけた曳き手で「進む」「止まる」の意志を伝えられるようになります。馬の場合、イルカのようにしょっちゅう動作のたびに餌を与えることはしませんが、すべてが終わった後には餌を与えて締めくくるべきです。
こうして、馬は調教(仕事)を受け入れていくようになります。基本は「人も馬も楽しみながら、徐々に進歩していく」ということです。

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対州馬の飼養と調教 17「 対州馬を調教する際、鞭は必要あるか 」

無くて構いません。もちろん個体差はあるでしょう。しかし、私は未調教から始めて、途中からまったく鞭は使いませんでした。鞭はまったくもって有効ではなかったからです。むしろ妨げでした。いたずらに馬を驚かせて恐怖心を抱かせただけであったかもしれません。この点については、今も申し訳ないという気持ちでいます。もちろん鞭は打つものではないので、一度も打ったことはありません。しかし地面を激しく打って音を立てたことはありました。その時、自分の心は「馬を怯えさえ、服従させよう」という意図があったと思います。しかし、それはまったく有効ではありませんでした。反抗も招きませんでしたが、服従にも結び付きませんでした。それで、鞭を置いたのです。
鞭の役割として、「刺激を与える」「境界をしめす」「尻尾の位置として示す」などの意味はあるかもしれませんが、対州馬の調教においては、なくていいとしか言えません。


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対州馬の飼養と調教 15「 対州馬の言葉の理解 」

これも対州馬に限らないことですが、基本、言葉の意味は理解しません。ただ、馬に話しかけることは、馬との関係を築く上で重要です。これは、馬が言葉の意味を理解して反応するのではなく、声のトーンを感じ分けて反応するからです。
言葉はいろいろあると思いますが、「よい」「OK」という意志を伝えるには、低くゆっくりしたトーンの言葉を発してやります。逆に「わるい」「No good」という意志を伝えるには「シッ!」などという高いトーンの言葉(音)をすばやく発します。舌鼓(ぜっこ)の出し方もこれに準ずます。
もちろん声の大きさも意志の伝え方に大きく関係します。


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プロフィール:江島 達也
 長崎市泉町生まれ。 私の「故郷」は戦後間もない頃造られた、お風呂もないアパートで棟の名が「隼(はやぶさ)」。それが絵師としての屋号です。群馬大学教育学部美術科卒。 大学の4年間、実にボンクラな学生でしたが、4年目は仲間と自主ゼミを立ち上げJ・デューイやM・モンテッソーリなどの教育学を学びました。この頃、前橋市内にあったフリースクール(オルタナーティブ・スクール)をつくる会などに参加しまして、この時期の様々な社会人との出会いが、その後大きな影響となりました。
包装機械メーカーの東京営業所に入社、8ヵ月後退社。平成2年より長崎県教員として県内各校に勤務しました。 平成17年末退職後、フリーのイラストレーターとして活動開始。
平成23年3月 「僕の子ども絵日記~ながさきの四季」(長崎新聞社)出版 
平成24年 「長崎の坂道で対州馬の荷運び再現」プロジェクト。25年 再び長崎市で対州馬による荷運び業再開を目指し「對州屋」として活動開始。29年 あさひ日本語学校・校長職を兼任。
〒852-8065
長崎市横尾町
tek/fax095-857-5236


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