未調教であった馬を単独で馬運車に載せ、移動することができれば、一応一区切りの水準に達したと言っていいでしょう。
まず載せようとするする馬にあった構造を持つ馬運車を準備するところから始まります。
特に注意するべきは、移動中に安全に馬体を守れる構造になっているか、という点と乗り降りしやすくかつ頑丈なスロープが容易にセットできるかという点でしょう。もともと馬運車として作られているものは、競馬馬のものであり、対州馬のような馬のものではないので、自作で馬運車をつくるか、牛や豚などの家畜を運ぶ専用車を使うかのどちらかになると思います。ここでは、馬運車の構造にまでは触れません。
最初は当然ながら馬にトラックに乗る理由もその魅力もありません。長い時間をかけて「こうすること(馬運車に乗ること)を覚えていくよ」ということを馬に伝えていかなければなりません。
この段階までに人間に従って曳かれたり、止まったりするということができるようになっていなければなりません。


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まず第一段階としては、荷台に掛ける踏板に慣れさせることからスタートします。毎日の引馬訓練のコース上に、踏板を伏せて置いておき、この上を歩かせます。当然少し段差がありますし、地面とは違った足音がするのですが、これができないようでは、当然トラックの荷台に乗ることは無理です。
伏せた状態の板を難なく歩けるようになったら、板を少し傾斜のある場所に置き、同じことを繰り返します。こうして、スロープを上ることに抵抗がない状態にまでもっていきます。

次にトラックの荷台に踏板を掛け、荷台に乗せる練習に入ります。最初に怖い思いをすると、もう二度と乗らなくなるので、焦らずタイミングを見てやることが大切です。
そして、大事なのは、「荷台に乗る動機付け」です。馬は移動する必然性など理解しているはずもないですから、この動機付けが重要になるわけです。
動機付けは、馬の場合何といっても、生草などがいいでしょう。視覚的にも嗅覚的にもわかりやすいですから。
すなわち生牧草などを荷台の一番奥に置いておき、ちゃんと荷台に乗ったら牧草が食べられるということにします。最初は食べ終わったら、すぐに荷台から降ろしてやります。
こういう手順を踏めば、馬を馬運車に載せることができるようになります。
ともかく焦らず、根気よく、そして楽しみながらという姿勢が大切です。