タイトル通り、平成25年2月17日に行われた、西海市立雪浦(ゆきのうら)小学校幸物(こうぶつ)分校の閉校記念式典及び惜別の会に出席させて頂いてから、4年以上が過ぎました。
幸物分校最後の生徒となった4人の児童のうち、6年生だった2人は2017年現在、高校2年生になっているはずです。
あらためて分校のことを思い出すこともあろうかと思い、記事を書いてみようかと思い立ちました。

初めて幸物分校を訪れたのが、2013年の1月。よりによって小雪の舞う日でしたが、標高の高い山中にある同分校には、けっこうな雪が積もっていました。
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何のアポもなしに訪ねたのに、その時職員室におられた教頭先生は、快く受け入れてくださいました。

そして、校内を取材・撮影後、お礼の挨拶を述べると、教頭先生は私に対し、「2月に開かれる閉校記念式典にいらっしゃいませんか」と。 こんなことって、あるでしょうか? 突然やって来た、どこの馬の骨とも判らないような人間に対して!!
思いがけないお誘いに「ぜひ、伺います」と返事して帰ったのですが、数日後ちゃんと招待状が送られてきました。
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そして閉校式典当日。

少し遅れ気味に現地に到着すると、ちょうど記念碑の除幕式が行われていました。
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少し照れたような、最後の4人の生徒たち。
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碑に刻まれた言葉が、幸物分校の歴史を表しています。
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そして、受付の時に頂いた紙袋。中にはいろいろなものが入っていました・・・・
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過去に赴任された先生方や思い出の写真なども載せられている記念誌。
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生徒さん手作りのペーパー・ウェイトやマスコット。
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押し花の入った手書きの栞
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そして、PTAか地域の方がつくられたのであろう、手作りのトートバッグまで。どういう方が、どういう想いでひとつひとつ作られたのであろうかと思うと、胸があつくなります。
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会場となった体育館には、既に大勢の方がおられ、テレビの取材も行われていました。そして、壁にはたくさんの写真が貼られていました。
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その中の1枚だけ紹介させてもらいたいと思います。
マラソン大会のスナップでしょうか?左端の「飛び入りの」犬がかわいいですね。
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式典が始まる前に、約一ヶ月前に取材した校舎内を見学させてもらいました。その時は、まだ「当たり前の」学校生活があったのですが、この時は既に違った光景に見えました。時が止まってしまったかのような・・・
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図工室でしょうか
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図書室
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音楽室
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式典は最後に出席者全員で「ふるさと」を合唱する感動的なものでした。
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山の中の小さな小さな分校の閉校式でしたが、中味は大きな大きな心遣いに溢れた温かいものでした。
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上の写真が撮られた場所です。子どもたちのいなくなった分校は、どうなってしまったのか、とても出向く気にはなりません。ここにあったであろう、多くの子どもたちの笑顔が浮かんできて、耐えられそうにないからです。
よそ者の私でさえ、そうなのですから、卒業生や地域の方はどんな想いでおられるだろうかと思います。
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今、日本中の至る所で「適正化」と称して、多くの学校が毎年消えていっています。しかし、「適正化」と言いつつ、少子化に歯止めがかからない限り、統合した学校もすぐに統廃合の対象となり、弱い地域から淘汰されていくことは目に見えています。
会社の支社や店舗のように簡単に消し去っていっていいのでしょうか?後悔することはないのでしょうか?
そしてその政策は本当に未来の子どもたちのことを考えたものなのでしょうか?
鍬をふるい、土砂を人力で運んで学校の敷地を校舎を学校を造ってきた先人達はどのような想いで「今を」見ているのでしょうか・・・・
そんな気がします。
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(幸物分校閉校記念式典の記念誌からお借りしました)