もうかなり前のことになってしまいましたが、佐々町の佐々鉱跡を少し歩きましたので紹介したいと思います。内容としては、このブログのコンセプトでもあるのですが、「正確な施設・設備の記録」といういうよりは、『当時の生活の面影を辿る』、というものです。その為、風景や画像を通して連想することも多く含まれておりますので、そういう記事として読んで頂けましたらと思います。
佐々鉱については、一度概略を載せていますので、そちらを一読して貰えばと思います。

同鉱の写真は2014年現在で私は下の一枚しか発見できていません。この写真から想像できることは、「坑道口は山の上の方にあり、掘り出した石炭は、いったん小川沿いの道へ降ろし、そこから更に鉄道方面へ輸送していたであろう」ということです。右下の小屋の下部にポケット(貯炭施設)が見えていることから考えると、降炭には、右上の高い場所まで運んだ後、傾斜を利用してポケットまで落としていたのかもしれません。そうなると左側の軌道は人員の輸送に使われていたものなのでしょうか?全ては想像の域を出ません。
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現在の同地はどうなっているのかと思い、この施設があった辺りを登ってみることにしました。いつの時代のものかは不明ですが、深い山にしてはがっちりとしたコンクリートが敷いてあります。
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のぼり始めは快調に進みましたが、この炭鉱跡は想像以上に奥が深く、これでもかというように山を這い上がっていきます。たちまち汗まみれになってしまいました。
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やがて地表には独特の艶のある黒い石、つまり石炭のかけらが多くなってきます。
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いつも炭鉱跡地では感じることですが、こういった石炭のひと欠片ひと欠片も、当時の鉱員さん達が汗水流して地底の奥深くから掘り出されたものだと考えると、感慨深いものがあります。
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道は谷間を登ってゆくので、傍らには沢があります。水は必要なものですが、炭鉱にとって時にそれは厄介な存在でもあります。
葦書房刊「炭坑誌」によると、「昭和20年3月5日 佐々本坑で坑内出水 死者6名」とあります。これだけ水の多い場所ですから、水の流れや勢いをコントロールすることは大変なことだったでしょう。
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施設・構造物はほとんど残っていませんが、それでもところどころで炭坑時代の石積みやレンガ壁などを見つけることができます。
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ここは古洞の入口か、資材置き場であった洞窟を塞いだものでしょうか?
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こちらはコンクリート造のどっしりした構造物です。何かを貯めておくポケットですね。
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落ち葉に埋もれているのは、何か建物の基礎部分。
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間取りを見ながら「何の建物だったのだろう?」としばし考え込むのも一興です。
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林の中にも所々、建物があったと思しき場所に石積みが見えます。
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発見して特に趣深いのは、このような小さなタイル片です。お風呂場、或いは炊事場、小さな手洗い場のものかもしれません。しかしこのようなひと気も無い深い山の中に生活を思い起こさせるようなものがあると、ほのぼのとした気持ちにさせらるのです。
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山を下りきった場所から小道を少し進むと、事務所があったと思われる敷地があり、その前には池があります。その周りには桜や桃などの花木が植えられています。どの時代に植えられたものかは判りませんが、事務所跡敷地にある椰子の木などはおそらく炭坑時代のものでしょう。
この風景からも休日の余暇を楽しみ鉱員さん家族の楽しげな様子が連想されます。
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そしてこちらは前の記事でも紹介しましたが、佐々炭坑時代に職員住宅として使われていた建物です。長屋づくりとなっており、「良き炭坑時代」を今に伝える貴重な建物ですね。

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今回住んでおられる方とはお話できませんでしたが、とても上品な猫君ときれいなチューリップの花が見送ってくれました。
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これは昭和57年頃、今の松浦鉄道佐々駅北側付近を写した航空写真です。写真中央付近に積み込み用の原炭ポケットが見えています。
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拡大するとこんな感じです。このポケットも佐々炭坑と関連があったのではないかと思っているのでが、残念ながら手元には資料がありません。どなたかご存知の方がおられましたら、ぜひともご教示願いたいと思っております。
(ポケットはその後取り壊され、現在はありません)
俯瞰図をよく見ると里山炭鉱方面からも軌道跡が見えていますので、複数鉱で使用していたということもあるのでしょうか?
佐々中央s57 3

かつては「理想郷」という言葉まで使われたこともあるという佐々炭鉱。その跡はこの緑の中に静かに眠っております・・・
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(説明のためにやむなく資料を引用させて頂いております。目的は、かつてこの地で暮らされていたご家族の記憶を辿る、一助になればという思いによるものです。ご了承のほどお願い致します。今後は現代の世相を鑑みて、ブログとしてのコンプライアンスをより重視してのぞみたいと考えております。2016年7月