ビリー・ジョエルやリアン・ライムスなどクリアーな英語を使うアーティストの楽曲には心惹かれるのですが、ジョージ・ベンソンの「Nothing gonna change my love for you」(Gerry Goffin&Michael Masser作)もそんな楽曲のひとつです。

初めて聴いた印象は「これだけ発音がクリアーなのは、白人の正統派シンガーだな・・」というものでしたが、あとになってそのイメージはまったくもって見当違いであったことがわかりました。

ジョージ・ベンソンは1943年、ペンシルバニア州ピッツバーグ・ヒル地区(hill district)に生まれ育ったアフリカ系のアメリカ人です。
ピッツバーグと言えば、鉄鋼王カーネギーに象徴されるように、「鉄鋼の街」であり、1857年頃(日本では黒船の来航した幕末頃)には1000以上の鉄鋼工場が建ち並び、その生産を支える為の労働者が大量に移入しました。
しかし、労働者のおかれた環境は劣悪であったと言います。
大量に燃やされる石炭によって大気は黒煙に覆われ、スモッグにかすんだピッツバーグは「hell with the lid off(恐ろしいもののありったけを見せられた地獄)」と呼ばれました。
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ジョージが生まれたヒル地区は住人の大半がアフリカ系アメリカ人で(白人は人口の約6%を占めるのみ)、住人の約40%は貧困以下のレベル生活を余儀なくされていました。
6人きょうだいの一番上で、病院における賄い仕事で生計を立てていた母親に育てられていたジョージの家には7歳の頃まで電気がありませんでした。
またかつて「アメリカの約1/2の鉄鋼を生産していた」と言われたピッツバーグも第二次大戦後、安価な輸入鉄鋼に押され、鉄鋼業は衰退、街には大量の失業者が溢れ、人口も激減しました。
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しかし、移入者たちが集まった街、ピッツバーグはあたたかく明朗な街であり、裕福でなくとも人々はジャズなどの音楽を楽しむ風習がありました。
ジョージの継父トーマス・コリアーはジョージのために自身のエレキギターを質屋から出したり、ゴミ箱に捨ててあった壊れたウクレレを修理しては、弾き方を教えたりしています。
HillNeighborhood

ジョージは新聞販売の合間にそのウクレレを持っては、街角で歌い、ひと晩で母親の一週間分のお金を稼ぐようになりました。
つまりジョージに才能があったことも確かですが、街には音楽を愛する少年をあたたかく育てる気風に満ちていた、ということもまちがいないようです。

こうしてジョージのキャリアはスタートし、現在に至っています。
クリアーでメロウな美声の基は、ピッツバーグの下町で育まれたわけです。
こうして考えてみると、「豊かさ」や「文化水準」とは何だろうか、と考えてしまいます。

現在のピッツバーグは芸術も盛んで、大学に通う若者の溢れる文化的な街となっています。




If I had to live my life without you near me
The days would all be empty
The nights would seem so long
With you I see forever oh, so clearly
I might have been in love before
But it never felt this strong

Our dreams are young and we both know
They'll take us where we want to go
Hold me now, touch me now
I don't want to live without you.

Chorus 1
Nothing's gonna change my love for you
You oughta know by now how much I love you
One thing you can be sure of
I'll never ask for more than your love.

Chorus 2
Nothing's gonna change my love for you
You ought to know by now how much I love you
The world may change my whole life through but nothing's gonna change my
love for you.

If the road ahead is not so easy
Our love will lead the way for us like a guiding star
I'll be there for you if you should need me
You don't have to change a thing
I love you just the way you are.

So come with me and share this view
I'll help you see forever too
Hold me now, touch me now
I don't want to live without you.

Chorus 1, Chorus2, and Chorus 1 again