長崎市大黒町。駅前の大通りから一本入った場所にある新橋。橋の上には店舗や住居の入る建物があり、一見橋とは思えない景観となっていますが、これが市内最古のRC(鉄筋コンクリート)造の橋梁である新橋です。
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架設年は、なんと大正4年(1915)。下画像は年間7万人ものツアー客が訪れる軍艦島・最古のRCアパート30号棟ですが、この30号棟の建設が大正5年ですから、これよりも1年古いRC構造物ということになります。
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汽水域にあり、30号棟と同じく塩水の影響を受けていると思われ、さすがに鉄筋などが露出しているようですが、直ちに危ういという状況でもないようです。築約100年にもかかわらず、です。
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橋の上部は暗渠として続いているので、これが橋そのものの強度も高めているということでしょうか。一部通行できる橋の上部は店舗などに通じる通路となっています。
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逆アングルです。植木鉢などが置いてある景観は、軍艦島に残されている通路の広いアパートの造りを彷彿とさせますね。
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上画像、左側の台の上には、小さな茶碗が置いてありました。このニャンコの食事用の茶碗なのですね。こういう「街ネコ」も居候できるスペースがあることが、長崎らしい町並みでもありましたが・・・・
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しかし楽観はしておれません。これは橋から港方向を見た図ですが、この先には県庁舎が移転してくる可能性が高くなっています。高層マンションが建っている辺りには5~6年前まで古い建物がひしめいていましたが、ご覧のようにすっきりとフラットになっています。
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新橋のすぐ裏は、2012年3月いっぱいで解体・撤去が決まっている「大黒・恵美須市場」です。・・ということは、おそらくこの新橋と暗渠も・・・・
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市場の方は3月の期限を待たずして、空洞化が進んでいます。
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撮影時は週末の午後7時半くらいでしたが、灯があったのは、手前に見える市場でただ1軒の居酒屋さんと、奥に見える精肉やさんのみでした。居酒屋さんも2月には閉められるだろうとのこと。
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市場にもたくさんのネコが棲みついており、お店を閉め市場を去る人たちも、解体後のネコたちの行き場を心配していました。
このネコはまだ小さいので、昨秋生まれたばかりでしょう・・・
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「汽笛一声、新橋を・・・」の歌詞があるように、「新橋」と名を付けられた場所は、その町の発展が始まった場所でもあると思われます。
おそらくこの橋が完成した頃は、「新橋、新橋」ともてはやされたことでしょう。
戦前・戦中・戦後を通し、街の歴史を見てきた百歳近いこの橋も、近く人知れずひっそりと解体・撤去されてしまうのでしょうか・・・・。
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