映画「にあんちゃん」の主となるロケ地として、長崎県・福島にあった鯛之鼻炭鉱が使われたことは、前の記事に書きましたが、念願であった「にあんちゃん」がNHK-BSで放送されましたので、いいものを紹介するという意味を込めて少しキャプチャーを掲載したいと思います。

今回は安子とにあんちゃん(たかいち)が通っていた入野小学校大鶴分校のロケ地として使われた、松浦市立養源小学校です。
はっきりとここであるということを確認したわけではありませんが、NHKのサイトに福島の方が「・・ロケで賑わった。エキストラとして参加した・・」と投稿されていましたし、画像からも養源小であるという確認が取れるので、紹介したいと思います。

シーンは、自分だけがお弁当を持って家を出た安子が、お弁当なしの高一に自分の分を渡そうと高一の教室へやってきたところからです。
弁当を持っていない子が、机の上を走り回っていますね!・・・
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その頃、高一は校庭の鉄棒の上でした。
よく見ると、高一の後ろ、海上に映っているのは、同じく炭鉱の島として栄えた飛島です。このアングルで飛島が見えるのは、まちがいなく養源小でしょう。
それにしても今村監督は意図的に飛島を入れたとしか思えないようなアングルですね。
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そこへ安子がやってきて、「お弁当ば、あげるよ!」と言いますが・・・
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「いらん。お前がちゃんと食べろ!」と安子を叱り、高一は校舎の方へ走っていきます。
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サイトからお借りした養源小の現在です。鉄棒から高台にある階段までという、高一が走ったルートがわかりますね。
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階段近くの水飲み場で水を飲んでいる高一を校舎内でお弁当を食べていた子どもたちが、はやし立てます。
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残されている養源小の東校舎です。上の画像のものではありませんが、構造・デザインから、この時代から残されているものであることがわかります。
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しかし、このにあんちゃん、しょんぼり引き下がるような男ではありませんでした。
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教室へ乗り込んでいき、「卑怯もん、すきっ腹でも負んぞ。相手になってやる!」とすごみます。
教室に掛けてある「ピチピチした子供」という教育目標がいいですね。これは実際に掛けてあったものなのでしょうか・・・・?
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子どもたちは、にあんちゃんの迫力に負け、スゴスゴと引き下がります。
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意気揚々と教室を後にした、にあんちゃんでしたが、渡り廊下に出たとたん、「はらへった~・・」とへたり込みます。
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このあたりが、舞台となった場所でしょうか・・・
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ちなみに先生役として登場していたのは若き、穂積隆信さんです。右は保健所・所員役の吉行和子さん。
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おそらく撮影当時の養源小には、鯛之鼻炭鉱や鍋串炭鉱などの多くの子どもたちが通っていたものと思います。映画「にあんちゃん」からは、その生き生きとした様子がわかるのですが、大変残念ながら、その養源小学校もこの平成23年度末をもって、統合されてしまうようです。
統廃合はいたし方ないことなのかもしれませんが、鯛之鼻炭鉱と同じく、そこにあった生き生きとした家族たちの暮らしの記憶までもが、人々の間で薄れていくことが、なんとも切ないことです・・・。

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