今、話題となっているTBSのドラマ「南極大陸」。その中に出てくる南極観測船「宗谷」は長崎の小さな島にあった造船所で建造されたものでした。
画像は「タロ」「ジロ」と「宗谷」。
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長崎港の沖合にある小さな島、「香焼(こうやぎ)島と蔭ノ尾(かげのお)島。(現在は埋め立てにより本土と地続きとなっている) この両島の間にある瀬戸付近にあった「川南(かわなみ)造船所(旧名川南工業(株)-香焼島造船所)において「宗谷」は建造されました。
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川南造船所。昭和11年にこの地にあった松尾造船を買収。同19年には年間34隻で造船量日本一の実績を誇りました。
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その川南造船所も戦後は低迷。昭和42年に税滞納により公売にかけられ、三菱重工によって落札されています。画像は川南造船所の大ドック。
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「宗谷」はもともと川南造船所において、ソビエト連邦発注の「耐氷型貨物船 ボロチャエベツ」として建造されましたが、その後の紆余曲折の後、日本海軍により軍務等についた後、最終的にはドラマにあったように「南極観測船 宗谷」として改造されました。
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ボロチャエベツの建造が昭和13年。昭和の初め頃まで、造船における金属接合方法の主流はカシメと呼ばれる職人がハンマーで鋲を打つ作業に頼られていました。当然腕力のいる作業であり、カシメ職人は「造船マンの花形」と言われたそうです。(その後、電気溶接が主流となる)従って宗谷が南極の氷にも耐えられる基礎構造を造り上げていた大元は、このカシメ職人たちの「腕」であったと言ってもいいかと思います。(画像は三菱重工のもの。まだ幼い少年工の姿も見えます)
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「宗谷」甲板上のタロ、ジロら樺太犬たち。確かにがっちりした大柄な犬であることが一緒にいる人間と比較してもわかります。
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税滞納により消滅した川南造船でしたが、その精神は今も生きています。画像は香焼町にある「川南高等造船学校跡(昭和18年創立)」に立つ碑です。造船マン育成の為につくられたこの教育機関は、その後「川南高等造船学校」-「長崎造船短期大学」と改称しつつ受け継がれ、その後は「長崎造船大学」-「長崎総合科学大学(現在)」として発展しつつ今に至っています。
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下は在りし日の「長崎水族館」。コウテイペンギンの繁殖などで知られたこの水族館は、今は「長崎総合科学大学」のシーサイド・キャンパスとなっています。
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南極へ行った「宗谷」をつくった造船所の「志」を継承する大学が、南極のペンギンたちを飼育した水族館跡地をキャンパスとしている・・・・ここにも何だか不思議な因縁というものを感じます。
現在の「長崎ペンギン水族館」はこの「長崎総合科学大学」グリーンヒル・キャンパスが見下ろす場所にあります。
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香焼町の歴史を示すレリーフの側に立つ碑。そこには「愛と平和」と刻まれています。
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「川南造船で建造された宗谷」について、更に詳しくは「ちび太郎のさるく日記」で!
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初代南極観測船「宗谷」(長崎市香焼町)


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