2008年の4月にKTN(テレビ長崎)の開局20周年記念事業の一環として製作された「長崎弁かるた」にイラストで参加させて頂いたのですが、先日下図ファイルをながめていると、採用されなかったボツ下図がけっこうでてきましたので、この機に紹介したいと思います。

長崎を表す短い言葉に、親しみの持てるイラストを付ける・・・これは今の私の製作スタイルに大きく影響しているものです。
またボツになったものの、これらの図案は、私の「長崎に対するイメージや想い」そのものでもあります。


「 ちゃんぽんにしなさんな きちんと わけとかんば 」
(ごちゃ混ぜにしないの、きちんと分けて【入れて】おきなさい!)
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・・・「ちゃんぽん」は長崎の代表的な郷土料理ですが、この場合はいろんなものを区分けしないで、いっしょくたにしてしまっている状態を指します。
夏休みになって、田舎のじいちゃん、ばあちゃん家に行く子どものリュックの中身を点検?している母親の図です・・・。

「 おーどもんは どこの だいね 」
(横着な子がいるようだけど、どこの誰かな!?)
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・・・・「おうどもん」。横着者というか、横柄な者というか。そういう風な子どもを形容する言葉です。私も先生から
言われたこと、ありましたねぇ。
お客さん用のお寿司。何個かだけ、つまみ食いしてもうまく並べ替えておけばバレないのですが、これはちょっと食べ過ぎたようですね・・・。



「 かっちぇてくれんね なんでも てつだいますけん 」
(仲間に入れてください。何でもお手伝いしますから。)
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・・・長崎では、「かっちぇて」と言われたら、たとえ仲良しでない相手だとしても、気持ちよく仲間に入れてあげないといけない、という暗黙のルールがあります。


「 けんぱたして あそぼうで みんなこんね~ 」
(ケンケンパ して遊ぼうよ。みんな集まって~!)
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・・・昔は公園や空き地に このケンケンパや子どもの遊んだ「跡」がいっぱい残っていたもんでしたが、今ではさっぱり見られなくなってしまいましたね。


「 たまがった まごにもいしょうと いうばってん 」
(驚いた! 馬子にも衣装と言うけれどね・・・)
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・・・長崎市で10月7~9日に開かれるお祭り、「おくんち」に出る子どもの衣装を初めて見た母親の姿です。


「 むごたらしか いつのじだいも せんそうは いかんばい 」
(醜い仕打ちです。いつの時代であっても戦争はいけませんね。)
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・・・「むごたらしい」という言葉自体が、このかるたにふさわしくないだろうということで、没となったもの。私としても「むごたらしい」は直接的にイラストに描けませんでした。


「 まっぽし いなさやまの みえてよかねぇ 」
(真正面に稲佐山が見えて、いいですねぇ・・・)
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・・・亜流の「浦上弁」である私には、いまいちピンとこなかった言葉でした。図は長崎育ちのお義母さんとお嫁さんの2ショットを旦那(息子)が写真撮影しているというイメージです。


「 りこもんに ならんば いかんよ 」
(お利口さんにならないと、いけませんよ。)
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・・・お利口さんとは、成績のいい人、優秀な人という意味ではなく、自分の判断で人にやさしくできるような人を指していました。ひと昔前の人は、そういう人を「りこもん」と呼び、そういう人になるように教育していたように思います。


「 やむ~で みつかったら がらるっぞ 」
(やめようぜ。見つかったら、怒られるぞ!)
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・・・修学旅行中の中学生が、担任の寝顔を写真に撮りにいこうとしている図です。私の中学時代は、教師とはまったく仲がよくなかったのですが、仲間同士のつながりは大変深いものがありました。また、いろんな個性溢れる人物が多く、それは楽しい日々でした。その思いを込めたものでもありました。


「 にんぎまんまにしとっけん あとでたべんね 」
(おにぎりにしておいたから、後で食べなさい。)
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・・・受験のために離島から長崎市に受験に来た若者が、出発前にばあちゃんが握ってくれた、おにぎりを抱えているというイメージです。


「 そがんこと いうても こっちにも つごうの ありますけん 」
(そんな事言っても、こっちにも都合っていうものが、あるのだから・・・)
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・・・久しぶりに帰省してみると、そこにも縁談の話が・・・。そんなことは、まったく期待していないことだったのですが・・・。


「 ぞろびーとばい ずぼんば あげんね 」
(引きずっているよ!ズボンをあげた方がいいね。)
karuta166
・・・昔、怖いおじさんが近所に沢山いたということは、若者や子どもには分け隔て無くいいことはいい、悪いことは悪いと教えようという風潮があったからからでしょうか。


「 できろうが できまいが してみんばさ 」
(出来るとしても、出来ないとしても、まずはやってみることが大事だね!)
karuta164
・・・いつもこのように、子どもや若者を鼓舞させる言動を心がけたいものです・・・


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