私にとって「不夜城」という言葉のイメージは、「三交代・24時間操業」であった、かつての炭鉱町を指すものという認識が強く、夜の軍艦島を描いた作品にも、その名を借りたことがあります。

そもそも「不夜城」という言葉に初めて出会ったのは、学生時代のことでした。群馬県前橋市での貧乏学生時代でしたが、故・青柳裕介氏の「土佐の一本釣り」だけは集め続けていました。個人的に「永久保存版的」であるこの本の、第8巻が「不夜城」となっています。

青柳氏のすぐれた遺作への敬意も込め、「不夜城」の白眉をなす部分を少しご紹介したいと思います。
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高知県中土佐町久礼(なかとさまち、くれ)の一本釣り漁港を舞台にした、この作品。この小さな港町に「秋の豆台風」が来襲することから、物語は展開していきます・・・・
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主人公、小松純平の恋人・八千代の父、千代亀ら漁業関係の重鎮たちは、土佐久礼付近で、帰港途中の清水のカツオ船が、台風に巻き込まれたとの報を受けます。
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久礼の男達は、同じカツオ船漁港の仲間として、台風の中帰港しようとした清水の船に思いを馳せます。
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漁協は急遽、関係者を集め、対策を協議しようとしますが、古老は「こんな時は、男だけにしたらいかん!」とリーダーシップを発揮します。
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続けて古老は、「女は口出しをしたらいかんが、男だけにしたらいかん。女性の姿を常に視界に入れておけ」と言うのです。
そんな重苦しい空気を破るように、主人公・純平は、救助船を出すことを進言します。
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決断しかねる責任者たちに苛立ちをつのらせる純平に対し、重鎮たちもまた思いを吐き出します。それはもちろん、二次災害による被害者を出してはいけない・・・という思いでした。
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純平の発言から、状況ははげしく動いていきます。
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そしてここから「第57話 不夜城」が始まるのです・・・・・
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