多分、サイモンとガーファンクルの「水曜の朝、午前3時」を聴いたのは、兄貴がLP版を買ってきた、小学生の頃だったと思います。

sg

このジャケットを見て、「ふ~ん。午前3時。早いねぇ・・。ニューヨークっていうところは、夜中の3時でも こんな風に地下鉄が走ってるとばい。すごか!」・・・ぐらいにか思っていなかった。
当然英語はわからないし、曲調も軽快なので、「爽やかな、早起きの唄」だろう・・・と勝手にイメージを持ってしまっていたのです。

ところが、しかし。この曲、ご存じの方も多いかと思いますが、曲調とはかけ離れた、とんでもない内容の歌詞となっています。
ネットを探してみても、自分にすっと入ってくる訳詞が見つかりませんでしたので、また無謀ながら、自分で訳詞を書いてみることにしました。




Wednesday Morning, 3 am
Paul Simon 1964



水曜の朝、午前3時
ポール・サイモン

I can here the soft breathing of the girl that I love            
As she lies here beside me asleep with the night
And her hair in a fine mist floats on my pillow
Reflecting the glow of the winter moolight

夜の闇の中で、横で眠っている君の静かな寝息だけが聞こえている
枕の上に波打つ君の髪が、冬の月に照らされて輝いている

She is soft, she is warm,but my heart remains heavy
 And I watch as her breasts gently rise gently fall
For I know with the first light of dawn I'll be leaving
And tonight will be all I have left to recall

君はやわらかく そしてとても あたたかい
でも僕の心は鉛のように重い
なぜなら君の胸が静かに上下するのを見ていても
今夜が二人にとって最後の夜で 夜明けとともに僕は
ここを出ていかなければならないことを知っているから

Oh, what I have done why have I done it
I've committed a crime I've broken the law
For twenty-five dollars and pieces of silver
I held up and robbed a hard Liqur store

まったく 僕はなんてことをやってしまったんだ!なんてことを・・・
僕は罪を犯してしまった 法を破ってしまったのだ
たった25ドルと数枚の銀貨のために
うらぶれた酒屋に強盗にはいるなんて

My life seems unreal my crime an illusion
A scene badly written in which I must play
Yet I know as I gaze at my young love besides me
The morning is just a few hours away

こんなのは嘘だ 僕の犯した罪は幻想だと言ってくれ
僕にしむけられた 悪い芝居のひとコマだと・・・
それでも わかってる
愛する君を見つめる僕に 
もう朝までそれほど時間が残っていないということを・・・


この曲の背景は、わかりませんが、何となくイメージのもととなった事件なり、手記なりがあるような気がしています。
そして何より感じるのは、この曲の中に表されている
「彼女をいとしく思う気持ち」 と 「金欲しさに強盗をやってしまったことに対する罪悪感」
というものは、全ての人の心の中に、常にあるものではないかということです。

金の為にすさみきった心と、人を愛するという豊かな心。ともに、その時代の若者の心情というものをうまく反映させているように思います。
歌詞の中の青年は、心情として十分罪を悔い、償っていると思うのですが、さてこの後朝がきて、どうするのか・・・というのを考えてみるのは、なかなか興味深いことであるように思います・・・




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