長崎市を走る路面電車1051号は、元・仙台市電117号なのですが、今「がんばれ東北号」として走り続けています。
これまで滅多に走ることがなかったのですが、大震災の後、長崎電気軌道さんが、宮城県仙台市からやってきた、この1051号を通して被災地にエールを送ろうということで、メッセージを掲げた車輌を走らせるとともに、車内での義援金受け付けを行っているのです。
DSCF5755

この1051号は昭和51年3月で全面廃止となった仙台市電から譲り受けた5両のうちの1両です。
1051の1000はせんだい、から。51は51年から取ったものです。
DSCF5773





車輌が製造されたのは、昭和27年です。まだ戦後復興期ですね。人間で言うと、還暦ですが、まだまだ現役ばりばり・・・というところでしょうか。製造元は新潟鉄工所です。
DSCF5774

運転台がスリムなのが特徴ですね。資料によると、運転操作がしやすく、接客もしやすいのだそうです。
DSCF5778

運転席の後ろには、車輌の歴史が掲げられています。この中で凄いのは、『 現在までの走行距離は、(平成13年9月30日現在で)約295,000kmで、これはおおよそ地球を7週ほどまわったことになる・・・ 』というものです。
DSCF5777

サイトで調べてみると、このペインティングも、当時の仙台市電のものと近いもののようです。
DSCF5779

ところで、仙台からやってきた5両のうち、長崎に残っているのは、この1051号、1両のみです。
1054号は、平成2年に廃車となり、シドニーの電車博物館へ送られました。
1055号も同年廃車となり、佐賀県鹿島市にある共生(ともいく)保育園に寄贈され、子どもたちに親しまれています。
1052号は平成10年に解体されました。
1053号は、平成14年に仙台の鉄道パークシティ研究会に引き取られ、現在は秋保電鉄終点の地で余生を送っています。
↓ 仙台に里帰りする前、長崎市民に別れを告げる1053号です。
sendai826

↓ このサイトさんを見ると、1053号が載っています。まだこの時の張り紙が、一部残っているようです・・・
http://c5557.kiteki.jp/html/nagasakidenki1053.htm

初めて乗車した1051号。ささやかながら募金をして降りました。
60年の時を越えて、長崎最後の1両・1051号は、故郷東北を、そして東日本を応援し走り続けています・・・・
「がんばれ東北!」「がんばれ東日本!」
DSCF5780




br_decobanner_20110211104502


*(説明のためにやむなく資料を引用させて頂いております。目的は衰退しつつある、故郷・長崎の良いもの未来に向けて、広く伝えるです。ご了承のほどお願い致します。今後は現代の世相を鑑みて、ブログとしてのコンプライアンスをより重視してのぞみたいと考えております。2016年7月