市立香焼図書館で複写させていただいた資料からです。
こういった資料も、やがては埋もれていくばかり・・と思いますので、ここに少しでも紹介したいと思います。
「炭鉱」という夫たちの、父親たちの職場を、少しでも知って頂ければ、と思います・・・。

鉱業所玄関です。ご覧のように「安全」の文字が見えます。こういった言葉は全ての炭鉱事務所に共通するものです。はげしい風雨の後のようですね・・・
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資料には「入坑」とありましたが。もしかすると「昇坑」のものかもしれません。いずれにしても入坑する時、鉱員たちは複雑な心境で坑底へと向かい、家族は心中に湧き上がってくる「もしも・・・」という感情を振り払っていたことでしょう・・・・
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坑道に入る前の「検身」です。装備をまちがいなく持っているか、マッチやライターを持っていないか、などを確認します。坑内で火を付けると、メタンガスに引火して大爆発を起こす可能性もあります。こうした、当たり前の安全確認が、大事故を未然に防ぐこととなりました。その為か、係員の方は、ベテランのようですね。
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形の大小はあれども、必ずどの炭鉱の繰込場(くりこみば・入坑口)にもあった神棚。左側に置いてあるのは、坑道を支える坑木です。画中に見える「御苦労さま」「御安全に」という言葉も、炭鉱に共通するものです。
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一番方(8:00~16:00勤務)と二番方(16:00~24:00勤務)との交代風景です。さらには、24:00~8:00の三番方がいます。
坑内人車は、普通の電車と違って、節電の為、車内灯がありませんでした。その暗闇の中で、押し黙ったまま、時には1時間も2時間もかけて地底深くまで向います。
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切羽(きりは)と呼ばれる、石炭を掘るための「最前線」です。鉱員さんたちがしゃがんだまま掘っているのが、わかりますでしょうか。炭層(石炭の層)は、時には40~50cmほどの厚さしかないことも、めずらしくありませんでした。こういった場合は、「寝掘り(ねぼり)」と言って、寝た姿勢のまま掘らなければなりません。
図に見える鉄柱は「カッペ」と呼ばれるものですが、鉱員の上から数十トンの圧力で押してくる岩盤を抑えています。しかし、このカッペ、へし折れる時は、いきなりぺしゃんと潰れるということで、カッペ使用に反対した労組もあったと言います・・・
ちなみに、切羽で気温40℃近く、湿度ほぼ100%という現場もめずらしくなかったようです。
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岩盤を落とすための発破(ダイナマイト)作業です。坑内で聞く爆破音は、なんとも不気味なものだったでしょう・・・
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発破後の切羽の様子です。明るく見えますが、作業用の灯りは、キャップ・ランプの光のみで、ほぼ真っ暗です。視界が悪いことも、危険を増長させる要因のひとつでした。
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手積みで、採炭作業を行っています。石炭は、砕くと粉状になるので、ほげのようなものですくっています。
向こう側の作業員は、圧縮空気を使った削岩機で岩を砕いています。
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鎖のように見えるチェーン・コンベアというもので、石炭を炭車に積み込んでいます。
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絶えず坑内では、ガス測定を行っています。炭層という場所は、同時にメタン・ガスも溜まっている場所でもあります。従って石炭を掘るという行為は、同時にメタン・ガスを噴出させる行為でもあるわけです。
メタン・ガスは、人体には影響ありませんが、濃度が10%以上になると、自然発火を起こします。
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ここはガスが充満しているために、立ち入り禁止となった坑道です。
メタン・ガス以上に怖かったのが、一酸化炭素です。一酸化炭素は、無味無臭で、人が感知することができません。しかし、人体の、とりわけ脳に深刻なダメージを与えます。メタンガスなどで、火災が発生すると、あっという間に狭い坑道は一酸化炭素が充満し、多くの犠牲者を出しました。
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ガス爆発と同じく、重大な事故であったのが、「落盤」です。この落盤をふせぐ上で重要な役割を担っていたのが、仕繰(しくり)と呼ばれる、坑道の点検・補修作業です。
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これは、ブロック坑道と呼ばれた、コンクリート・ブロックで作られた坑道ですが、強大な地圧により、天井のブロックが、浮き上がってしまっています。この写真を撮るのも、怖かったことでしょう・・・
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すべては、この地面の、また海面のはるか地底で行われていたことです・・・・
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