「・・・島の右端に見えます、白い小さな灯台が伊王島灯台です。日本初の鉄製の灯台でございまして・・・幕府とアメリカやフランスと結んだ条約により全国6ヶ所に造られた灯台のひとつです・・・」なんて、軍艦島ツアー・ガイド時代に船上から案内していたのが、この伊王島灯台です。
(灯台下にある元灯台職員宿舎・現資料館改修中の為、トラックが入ってました)
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灯台を設計したのは、リチャード・ヘンリー・ブラントン。イギリス人と紹介されていますが、トーマス・グラバーと同じ、スコットランドの出身です。
経歴を見ると、スコットランド時代は、鉄道技師。来日前に急遽、灯台設計の勉強をしたようですが、彼が日本で設計した26灯台のうち、多くが現存していることを考えると、その腕は確かであったと言えるでしょう。

Richard_Henry_Brunton

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信じられないことですが、この伊王島灯台、昭和20年8月9日、長崎市に原子爆弾が投下された時の爆風で歪みが生じた為に、同29年に改修されています。
一体、どれだけの爆風だったんだろう!・・・・とその距離感を知っている人な驚くはずです。
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ブラントンが造った当時、灯台があったのは、現灯台のすぐ横、この六角形の台座の部分です。
はるか遠くに女神大橋と香焼島の100万トンドックがかすかに見えています。その向こうから爆風は吹いてきたのですが・・・・
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そしてこの場所。江戸時代より南蛮船やオランダ船の、長崎港への道標の役割を果たした島だったようです・・・
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灯台のある場所から、南を見ると、手前に高島、奥に軍艦島が見えます。今まで、軍艦島の住居ゾーンの夜景を陸上から見た人はいない・・・と確信していましたが、もしかするとここからは、かろうじて見ることが出来たかもしれません・・・。
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2011年3月中に本土と橋で結ばれる伊王島。ぜひこの伊王島灯台にも足を運ばれては、いかがでしょうか・・・

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