昨深夜、娘が嘔吐。病院では嘔吐下痢症と診断されました。それまでは、むかつきから眠ることもままならず苦しそうだったのですが、座薬のおかげでようやくおさまったのか、眠りにつきました。・・・まったく2月はうちは病魔にすっかり翻弄されました。

で、看病の傍ら開いた本が、宮本 常一著「私の日本地図 ⑮壱岐・対馬紀行」。これは「対州馬」の写真を参考にするためにだけ借りていたものです。もともと「民俗学」なんてカビくさい?感じがして、全く興味がなかったのですが、ちょっと読み始めると、これが面白いのなんの・・・。地図を片手に読んでいくと、もう止められません。なぜ、そんなに面白いのかと考えたのですが・・・
①歴史だけだと、場所が偏ってしまうのですが、ヒトが住む集落を追う民俗学はまんべんなく地域を網羅するので、実に面白い。
②宗教や政治にも偏っていないから、土地の人は心を開いて接してくれる、その様が実に興味深い。
③土地土地で聴き取りをする様子がリアルで、読みながら旅をしているような気分になれる。

同著の前書きの中に・・
「・・・多くの考えさせられる問題につきあたった。そして、地域開発にあたって大切なことは経済的蓄積だけでなく、文化的蓄積について工夫することをおろそかにしてはならないということであると考えるようになった。それについて十分のべることができなかったが、近頃の観光開発を見ると、先祖の残した文化遺産の居食いをしていて、われわれ自身の手で築いた文化を人々に示し得るものはきわめて少ないと気づいた・・・」
とありました。この「文化的蓄積」という観点こそ現代社会に欠落しているものではないかと思いました。

taisyuu860

長崎新聞社で最後のゲラ、プリント(色)確認作業。今回も画像班の技術さんにきばって調整してもらえました。
文化部長さんも担当デスクさんもていねいに挨拶をいただき、本当に最高に充足感を持ったまま社を後にすることができました。
ありがとうございました。

車椅子に乗った子どもをいつか描こうと思っていました。教師時代、研修先の養護学校で出会った多くの子ども達もまた、まちがいなく「僕の子ども絵日記」の「子ども達」の一部なわけですから。
でも「車椅子」というインパクトと読者が抱くであろうイメージを考えると、なかなか描けなかったのですが、最後の最後に自然な流れのまま描く事ができました・・・。
last2856