アトリエ隼 仕事日記

長崎の遺産とも言うべき炭鉱・教会・対州馬など、「よかもん」をご紹介いたします・・・

対州馬の飼養と調教 14「 対州馬の蹄の管理 」

対州馬に限らず、馬の飼養において、なかなか大変なのが、この蹄(ひづめ)の管理です。
蹄は健康状態のバロメーターでもあります。すなわち、餌の種類や量が適切でないと、蹄の軟弱化として現れて、最悪の場合取り返しのつかないことになるのです。また、裏ぼりと呼ばれる蹄の内側の泥を掻き出す処置をしておかなければならないし、伸びすぎた蹄は敵的に削蹄しなければなりません。しかし、調教のついてない馬を飼養するにあたり、もっとも苦労するのがこの蹄の管理です。
馬がきちんと調教を受けてきており、削蹄士が削蹄できるのであれば、このトピックスはこれ以上読み進める必要はありません。
私の場合、馬が未調教で最初の放牧地が粘土質であったことが、大きな苦労の元となりました。たとえ、苦労して裏ぼりしても、数メートル動けば、また粘土質の土が詰まってしまうからです。
また、削蹄に関しては公営競馬のある佐賀の削蹄士に何人かコンタクトしてみたのですが、馬の調教に関してはほとんど期待することはできませんでした。あくまで、その馬がおとなしく足を人に持たれ、削らせる状態でないと依頼することはできませんでした。つまり削蹄士はあくまで削蹄士であって調教士ではないということです。
しかし、現実問題馬の蹄は伸びてきますが、おとなしく足を持たせない状態で刃物を使って削蹄するなど、できるはずがありません。では、どうするか?鉄製のやすりで削ればよいのです。対州馬の場合、餌を食べている時など、大概のことをしても気にしません。したがって、伸びた蹄をやすりで削ることは、ほとんど問題ありません。足を持ち上げて削れれば、それにこしたことはないのですが、その状態が確保できない状態ならば、やすりで削ることで問題は解決できます。やすりはネットで買えるし、高いものではありません。しかし、蹄鉄を打つという場合にはもちろん足を大人しく持たせるという段階にいかなければ成立しないことは言うまでもありません。かつて長崎市にいた馬搬の業者さん達は、蹄鉄を作り、装着することも自身で行っていました。
まず考えるべきことは、馬のいる場所の土の質と蹄の関係。これはかなり重要です。ある程度の固さのある土の方が蹄にはいいです。こういう場所を歩き回っていると、蹄は適度に削られ、内側に泥が詰まることもありません。さらに砂に寝転ぶ場所があるという環境づくりを目指すべきでしょう。

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対州馬の飼養と調教 13「 対州馬にかける損害保険はあるのか 」

ありません。そもそも保険を掛けないと心配な状態で、馬を柵外に出したり、人に触れさせてはいけないのです。
但し、いまだに馬が逃げ出したりすると全国ニュースで大騒ぎしていますが、馬の方から人に当たったり、ぶつかったりすることはありません。せいぜい人の方が慌てて何かにつまずいたり転んで怪我をするということでしょう。馬は人が思っているよりも繊細に物事をキャッチし、身体をコントロールできる生き物なのです。


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対州馬の飼養と調教 12「 対州馬が雑草を食べて死ぬことがあるのか 」

残念ながらあるようです。雑草の中にはもちろん毒草もたくさんあって、素人ですべてを見極めるのは困難です。では、なぜ野生の馬が毒草を食べて死なないかと言うと、毒草を食べないからです。基本的に匂いなどで毒草をより分けるので、それをわざわざ食べて死ぬことはありません。野生馬なら、での話です。
ところが、実際に馬搬をされていた方に聞くと、やはり何某かの草を馬が食べて死んだという話を聞いたそうです。つまりいつも馬房や限られた牧草地にいる馬は常に「草を食べたい」欲求にかられています。そこに誰か人がやってきて、口元に草を出したらどうでしょうか?やはりそれが毒草であっても、食べてしまうのです。だからかならず放牧地や馬房には「たとえ草であっても絶対に餌をやらないように」という札を掛けておく必要があります。また、それでなくとも馬の前歯は草を噛みちぎる鋭利な構造になっているので、外来者が気軽に手を出せない環境にしておく必要があります。
あと芋を掘った後、葉っぱと蔓を馬に与える人がいるようですが、蔓は絶対に与えてはいけません。「どうぞおなかの中で詰まらせて死んでください」というようなものだからです。

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対州馬の飼養と調教 11「 対州馬が飼養・調教する上で常備すべき医薬品は何か 」 

馬を飼養する上で最も恐れるべきものは、なんといっても疾病。競馬場のある地域以外で馬を診ることのできる獣医を探すことはまず無理と考えた方がいいです。

①疝痛時の痛み止めと消化促進剤
私の場合は幸い対州馬を飼養する獣医の知り合いがいたので、この方を通して入手することができました。
バナミン・ペーストとプロナミドの2種を常備していました。

②虫下し
これも獣医でないと手に入れることができないので、獣医さんのルートを確保する必要があります。乗馬クラブなら手に入れるルートを持っているかもしれません。
虫下しは必ず半年ごとに投与しなければなりません。経口投与なのですが、難かしければ、バナナの中に入れてやればよいです。
私はノロメクチンを使っていました。

③イソジンうがい薬
体の擦り傷などに塗ります。原液をそのままティッシュに染み込ませて塗布するか、スプレー容器に入れて使います。


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対州馬の飼養と調教 10「 対州馬が飼養・調教する上で必要な資質とは何か 」 

対州馬に限らないことですが、馬は人の「人間性」を見抜くので、人として誠実に生きているという自負と自信は必要です。また馬を飼養するの上で調教も絶対的に必要です。そうでないと馬を安全に移動させたり健康に留意して世話をすること、つまり管理することができません。
調教する上で絶対的に求められるのが先に述べた誠実な人間性なのです。こればかりはたとえアラブの大富豪だろうが一国の大統領だろうが、よこしまな人間性であったならば、馬を一歩たりとも自分の望む方向に歩かせることすらできません。そもそも馬にとって、人間の肩書や財力などそんなことはどうでもいいことなのですから。
では、なぜ馬は人間性を見るのか?答えは身の安全がかかっているからです。馬という動物は群れで暮らす生き物なのですが、その群れには必ずアルファと呼ばれるリーダーが存在します。リーダーはいつ襲ってくるかもしれない肉食獣や天災から群れを守るために的確な判断をしなくてはなりません。だからこそ、群れはリーダーを信頼し、その指示(サイン)に従うのです。人が調教者となる場合、このリーダー役として信頼されなければどうしようもないのです。もしそういう心構えも自信もなく馬に近づいた場合、その内面は馬に瞬時に見抜かれてしまいます。それは呼吸の速さであったり、脈拍、かすかな腰の引け方などによります。だから、かならず馬に接する時には「私は、あなたのリーダーであり、パートナーなのだ」という意志を持って接しないといけないのです。また、楽しむことも重要です。いつも「調教してやる」という強迫観念のような気負いがあると、やはりまた馬にとって負のパワーが伝わってしまいます。つねに「君にまた会えてうれしい!」といった心の余裕と微笑みもまた必要なのです。もちろん馬の調教についての最低限の知識や理論武装もある程度必要です。しかし、馬は千差万別であるということを忘れてはなりません。例えば鞭などは要らないと感じたら、さっさと放り投げる直観力も必要です(実際のところ、対州馬の調教にはほぼ鞭は必要ないと言える。中には調教すらも要らないとさえいう者もいる)。
余談ですが、私は現在外国人の若者に語学を教えるという立場にあります。人に何か教育という行う際に「信頼」というものがベースとしてないと成り立たないと教えてくれたのも、この対州馬でした。

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プロフィール:江島 達也
 長崎市泉町生まれ。 私の「故郷」は戦後間もない頃造られた、お風呂もないアパートで棟の名が「隼(はやぶさ)」。それが絵師としての屋号です。群馬大学教育学部美術科卒。 大学の4年間、実にボンクラな学生でしたが、4年目は仲間と自主ゼミを立ち上げJ・デューイやM・モンテッソーリなどの教育学を学びました。この頃、前橋市内にあったフリースクール(オルタナーティブ・スクール)をつくる会などに参加しまして、この時期の様々な社会人との出会いが、その後大きな影響となりました。
包装機械メーカーの東京営業所に入社、8ヵ月後退社。平成2年より長崎県教員として県内各校に勤務しました。 平成17年末退職後、フリーのイラストレーターとして活動開始。
平成23年3月 「僕の子ども絵日記~ながさきの四季」(長崎新聞社)出版 
平成24年 「長崎の坂道で対州馬の荷運び再現」プロジェクト。25年 再び長崎市で対州馬による荷運び業再開を目指し「對州屋」として活動開始。29年 あさひ日本語学校・校長職を兼任。
〒852-8065
長崎市横尾町
tek/fax095-857-5236


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